2008年 09月 30日
poem coffee house / 池袋 |
あまりしゃべったことがなかったというのに、私が池袋駅構内を歩いていたのを見かけたというその人と、今では親しく会話ができるようになった。
その人はある冬の日、汚れが目立たないだけが取り柄の重たいコートに毛糸のマフラーをぐるぐる巻いて(脱力系池袋方面ファッションと呼ぶ。)、東上線改札から東武トラベル周辺を歩く私を見たというのだ。
普段話もしたことがなかったその人が、あくる日、何の前触れもなく、
「池袋、いましたね。」と、まるで刑事のような口ぶりで私に言った。
それからというもの、その人とは池袋の話ばかりしている。
ここで重要なのは、
もし銀座や新宿、もしくは渋谷を歩く私を見かけたからといって、その人はあえて私にそれを言うだろうか。いや、言わないはずだ。 だったら何?と、こちらが言いたい。
でも、池袋は、なぜか言いたい。言わずにいられない。
「いました、いました、私、池袋に。」
そしてやがて、互いを隔てていた緊張感が、“池袋と私”という関係性を披露していくうちにほぐれてきて、
「先週はpoemでチーズトースト食べてきましたよ」と、
聞かれていもいないのに、報告したりしている。
その人はある冬の日、汚れが目立たないだけが取り柄の重たいコートに毛糸のマフラーをぐるぐる巻いて(脱力系池袋方面ファッションと呼ぶ。)、東上線改札から東武トラベル周辺を歩く私を見たというのだ。
普段話もしたことがなかったその人が、あくる日、何の前触れもなく、
「池袋、いましたね。」と、まるで刑事のような口ぶりで私に言った。
それからというもの、その人とは池袋の話ばかりしている。
ここで重要なのは、
もし銀座や新宿、もしくは渋谷を歩く私を見かけたからといって、その人はあえて私にそれを言うだろうか。いや、言わないはずだ。 だったら何?と、こちらが言いたい。
でも、池袋は、なぜか言いたい。言わずにいられない。
「いました、いました、私、池袋に。」
そしてやがて、互いを隔てていた緊張感が、“池袋と私”という関係性を披露していくうちにほぐれてきて、
「先週はpoemでチーズトースト食べてきましたよ」と、
聞かれていもいないのに、報告したりしている。
by natsu-daisuki
| 2008-09-30 23:18
| ▪️東京