2010年 06月 22日
【リアル・放浪記、林芙美子になりきって】 ゆかりの地、尾道へ / 寝台特急サンライズ号に乗って |
私の林芙美子への愛は、それはそれは無限で、ごく身近な友人は私との会話の中に林芙美子という人の名が出てくることを、もしかしたらもう、うっとうしいと感じているかもしれない。
長い付き合いになる友人のひとりとは、「本郷ブンガク散歩」と称して、ほぼ林芙美子ゆかりの地を連れまわしているし、これもまた長い付き合いになる友人のひとりとは、「取材」と称して林芙美子ゆかりの地を連れまわしている。
とにかく私と休暇を共にすることになる友人は、もれなく私と「林芙美子ゆかりの地」を歩くことになるのだ。
昨年から「取材」に付き合ってくれるようになった心の広い友人。
岡山出身のその彼女は、
「実家に帰る口実になるから」なんて優しいことを言って、
私を尾道へ連れて行ってくれるという。
広島県の東に位置し、岡山県寄りの尾道市は、林芙美子13歳から19歳までの多感な時期を過ごした土地で、ここで文学の才能が芽生えた、林芙美子を語る上で最も重要な場所である。
だからこそ、私にとって尾道という場所はサンクチュアリというか、ちょっと特別なところだったし、
「そうカンタンに行けっこない!」と思っていた。
遠いし、土地勘ないし、まだ林芙美子になりきれてないし、とか理由をつけて。
友人が、「行こうよ」と、あっさり口にする3ヶ月前までは。
彼女が方言を通訳してくれるというし。
彼女は尾道を知ってるし。
なにより彼女は、林芙美子になりきってる私をよく知っているし。
そして出発前に「旅のしおり」をそっと手渡してくれた。
私はもうこの時点で、彼女の優しさに参ってしまって、「あなたがもしかしたら林芙美子なの?」と言いたくなる気持ちをぐっとこらえた。私の最近の林芙美子狂いは病的で、警戒心を抱かれ兼ねない。
金曜日、22時。
寝台特急サンライズ号は私たちを乗せて、西へと走り出しました。
「私は鉄道マニアじゃないのよ」と友人は言うけれど、カメラを構える腰つきは紛れもなく電車好きそう。
彼女の個室をのぞいてみると、アロマオイルをしとらせて部屋の中はラベンダーの香り。
電車を自分のものにしてしまってすっかり寛いでいる様子。
個室には、手足を充分に伸ばしても余りあるくらいのベッドと、サイドテーブル。
思いのほか柔らかなベッドの寝心地は悪くなく、照明を消して部屋を暗くすれば、大きな窓には夜の日本列島の景色が流れていきます。
翌日、朝、6時27分。
岡山駅に到着です。
ここで高松行きのサンライズ瀬戸と、出雲市行きのサンライズ出雲と、切り離されます。
長い付き合いになる友人のひとりとは、「本郷ブンガク散歩」と称して、ほぼ林芙美子ゆかりの地を連れまわしているし、これもまた長い付き合いになる友人のひとりとは、「取材」と称して林芙美子ゆかりの地を連れまわしている。
とにかく私と休暇を共にすることになる友人は、もれなく私と「林芙美子ゆかりの地」を歩くことになるのだ。
昨年から「取材」に付き合ってくれるようになった心の広い友人。
岡山出身のその彼女は、
「実家に帰る口実になるから」なんて優しいことを言って、
私を尾道へ連れて行ってくれるという。
広島県の東に位置し、岡山県寄りの尾道市は、林芙美子13歳から19歳までの多感な時期を過ごした土地で、ここで文学の才能が芽生えた、林芙美子を語る上で最も重要な場所である。
だからこそ、私にとって尾道という場所はサンクチュアリというか、ちょっと特別なところだったし、
「そうカンタンに行けっこない!」と思っていた。
遠いし、土地勘ないし、まだ林芙美子になりきれてないし、とか理由をつけて。
友人が、「行こうよ」と、あっさり口にする3ヶ月前までは。
彼女が方言を通訳してくれるというし。
彼女は尾道を知ってるし。
なにより彼女は、林芙美子になりきってる私をよく知っているし。
そして出発前に「旅のしおり」をそっと手渡してくれた。
私はもうこの時点で、彼女の優しさに参ってしまって、「あなたがもしかしたら林芙美子なの?」と言いたくなる気持ちをぐっとこらえた。私の最近の林芙美子狂いは病的で、警戒心を抱かれ兼ねない。
金曜日、22時。
寝台特急サンライズ号は私たちを乗せて、西へと走り出しました。
「私は鉄道マニアじゃないのよ」と友人は言うけれど、カメラを構える腰つきは紛れもなく電車好きそう。
彼女の個室をのぞいてみると、アロマオイルをしとらせて部屋の中はラベンダーの香り。
電車を自分のものにしてしまってすっかり寛いでいる様子。
個室には、手足を充分に伸ばしても余りあるくらいのベッドと、サイドテーブル。
思いのほか柔らかなベッドの寝心地は悪くなく、照明を消して部屋を暗くすれば、大きな窓には夜の日本列島の景色が流れていきます。
翌日、朝、6時27分。
岡山駅に到着です。
ここで高松行きのサンライズ瀬戸と、出雲市行きのサンライズ出雲と、切り離されます。
by natsu-daisuki
| 2010-06-22 00:00
| ▪️林芙美子、リアル放浪記