2008年 04月 20日
レストラン七條 / 神保町 |
80年代トレンディードラマに充分感化されていた私は、OLになるのが夢だった。
実際私が「なりたい自分」を思い描くようになったのは社会に出てからだったし、学生の頃、医者になりたいとか教師になりたいだとか、そんな高尚な夢は思いつきさえしなかった。
たとえ担任の先生に、「私、OLになりたいんです」と言ったところで、その志の低さを指摘されたり、私の不十分な説明では先生を納得させることは不可能だっただろうし、第一、田舎の私立高校教師に、私の想像するところのOLなんてわかるはずもない、と思っていた。
私は、名取ちなみとか、赤名リカみたいな、とびきりトレンディーなOLになるのが夢だった。
トレンディードラマが私に及ぼした影響は、思春期の私には強烈なものだった。
「同・級・生」の名取ちなみや、「東京ラブストーリー」の赤名リカは憧れの女性像そのままだった。真面目に仕事をしている気配は一切なく、午後5時になれば広告代理店のカレ氏と船上ディナーだとか、仲間とパーティだとか、都会で一人暮らしだとか、はたまた社内恋愛だとかそういうことひとつひとつがきらびやかで、OLってなんてステキなんだろう、と羨望のまなざしでテレビに釘付けだった。
やがてバブルが崩壊し、いつの間にかトレンディーがトレンディーではなくなってしまって、そんなOLもいまや幻となってしまった。
少なくとも私がOLとして働いてきたここ10年余り、名取ちなみも赤名リカも、どこにもいなかった。そして、三十路を過ぎた私が、自分をOL(オフィス・レディー)と名乗るのにも若干憚れるようにもなってきた。
OLというのは、20代のはちきれんばかりの精神と肉体を持ったみずみずしい女子に冠せられる称号であり、自分の夢と恋人に翻弄されて試行錯誤しながらも甘酸っぱさを残した、大人の女性への前段階、いわばプチ大人の象徴のようなものと考える。
じゃぁ、OLの次は?
そう、JJ。
女子事務員!
女子事務員とは、一定のOL期間を経て、おおまかな社会の仕組みみたいなものを理解した上で他人に害なく社会生活を送れるようになった大人の女性を指す。
たとえ給与が低くても納得して業務をまっとうし(無理な夢は抱かない。)、客観的に人を見て(すぐに惚れない。)、相手を慮る姿勢(人は様々な事情を抱えているものだ。)を常に持ち、ハナ金にはおいしいものを食べにゆく(古い習慣を大切にする)。
だから、私たちJJは、給料日と重なっためでたい金曜日、自分のささやかな給与を認識しつつ、おいしいものを食べに行く。
JJの聖地、レストラン七條へ。
和牛のワイン煮込みは、成熟されたJJそのものです。
JJ、まさにトレンドです。
実際私が「なりたい自分」を思い描くようになったのは社会に出てからだったし、学生の頃、医者になりたいとか教師になりたいだとか、そんな高尚な夢は思いつきさえしなかった。
たとえ担任の先生に、「私、OLになりたいんです」と言ったところで、その志の低さを指摘されたり、私の不十分な説明では先生を納得させることは不可能だっただろうし、第一、田舎の私立高校教師に、私の想像するところのOLなんてわかるはずもない、と思っていた。
私は、名取ちなみとか、赤名リカみたいな、とびきりトレンディーなOLになるのが夢だった。
トレンディードラマが私に及ぼした影響は、思春期の私には強烈なものだった。
「同・級・生」の名取ちなみや、「東京ラブストーリー」の赤名リカは憧れの女性像そのままだった。真面目に仕事をしている気配は一切なく、午後5時になれば広告代理店のカレ氏と船上ディナーだとか、仲間とパーティだとか、都会で一人暮らしだとか、はたまた社内恋愛だとかそういうことひとつひとつがきらびやかで、OLってなんてステキなんだろう、と羨望のまなざしでテレビに釘付けだった。
やがてバブルが崩壊し、いつの間にかトレンディーがトレンディーではなくなってしまって、そんなOLもいまや幻となってしまった。
少なくとも私がOLとして働いてきたここ10年余り、名取ちなみも赤名リカも、どこにもいなかった。そして、三十路を過ぎた私が、自分をOL(オフィス・レディー)と名乗るのにも若干憚れるようにもなってきた。
OLというのは、20代のはちきれんばかりの精神と肉体を持ったみずみずしい女子に冠せられる称号であり、自分の夢と恋人に翻弄されて試行錯誤しながらも甘酸っぱさを残した、大人の女性への前段階、いわばプチ大人の象徴のようなものと考える。
じゃぁ、OLの次は?
そう、JJ。
女子事務員!
女子事務員とは、一定のOL期間を経て、おおまかな社会の仕組みみたいなものを理解した上で他人に害なく社会生活を送れるようになった大人の女性を指す。
たとえ給与が低くても納得して業務をまっとうし(無理な夢は抱かない。)、客観的に人を見て(すぐに惚れない。)、相手を慮る姿勢(人は様々な事情を抱えているものだ。)を常に持ち、ハナ金にはおいしいものを食べにゆく(古い習慣を大切にする)。
だから、私たちJJは、給料日と重なっためでたい金曜日、自分のささやかな給与を認識しつつ、おいしいものを食べに行く。
JJの聖地、レストラン七條へ。
和牛のワイン煮込みは、成熟されたJJそのものです。
JJ、まさにトレンドです。
by natsu-daisuki
| 2008-04-20 19:27
| ▪️東京