2008年 04月 07日
つけ麺大王 / 蒲田 |
原油の高騰を発端に、ありとあらゆるものが値上がった。
小麦粉が値上がり、バターが消えた。
人々はスーパーマーケットでビニール袋をもらわないことでECOと主張し、ヘルシア緑茶で痩せた気になっている。
誰かのひとことで、世界ががらりと変わってしまうこともあるし、昨日までの常識が、今日にはすでに通用しないことだってある。
不安定で、いまにも向こう側に傾いていきそうなシーソーに、私は必死にしがみついている。
そのシーソーから降りてしまったところで、誰も手を差し伸べてくれやしないのだから。
それでいいのか悪いのか、それさえも判断できないくらい私はいつの間にか鈍ってしまって、私のなかに残るのは、悶々とした違和感だけ。
帰りの電車で、オジサンに両手で思い切り背中を押された。つんのめった私は扉に額を派手にゴツンとぶつけた。
頭にくるより先に、そのオジサンに同情した。「この人も必死なんだな」と。
ここは蒲田。つけ麺大王。
今日一日、体力の限界まで力を振り絞って生きた男たちの人生酒場。
新聞を読みながらレバニラ定食を黙々と食べる見知らぬ男の情熱、客との他愛のない会話に相槌を打つ店主の優しさ、中国語訛りのアルバイトの何気ない微笑み。
漠然としているけれど、私が求めているものって、ここにあるのかも。
さすが、大王。
小麦粉が値上がり、バターが消えた。
人々はスーパーマーケットでビニール袋をもらわないことでECOと主張し、ヘルシア緑茶で痩せた気になっている。
誰かのひとことで、世界ががらりと変わってしまうこともあるし、昨日までの常識が、今日にはすでに通用しないことだってある。
不安定で、いまにも向こう側に傾いていきそうなシーソーに、私は必死にしがみついている。
そのシーソーから降りてしまったところで、誰も手を差し伸べてくれやしないのだから。
それでいいのか悪いのか、それさえも判断できないくらい私はいつの間にか鈍ってしまって、私のなかに残るのは、悶々とした違和感だけ。
帰りの電車で、オジサンに両手で思い切り背中を押された。つんのめった私は扉に額を派手にゴツンとぶつけた。
頭にくるより先に、そのオジサンに同情した。「この人も必死なんだな」と。
ここは蒲田。つけ麺大王。
今日一日、体力の限界まで力を振り絞って生きた男たちの人生酒場。
新聞を読みながらレバニラ定食を黙々と食べる見知らぬ男の情熱、客との他愛のない会話に相槌を打つ店主の優しさ、中国語訛りのアルバイトの何気ない微笑み。
漠然としているけれど、私が求めているものって、ここにあるのかも。
さすが、大王。
by natsu-daisuki
| 2008-04-07 21:24
| ▪️東京